設立趣旨   
  わたしたちは、少子化・高齢化・高度情報化・国際化の進展に伴う社会構造の大きな変化、
 さらには地球規模での深刻な環境汚染の進展等、かつてない急激かつ大規模な社会変動の
 時代に生きている。
  そして、人と自然、人と物、人と人との関係は、時代という荒波に翻弄され、個々に与えら
 れた属性を少しずつ失いながら、総じて文化的な交代を余儀なくされつつある。この意味で、
 あらゆる観点から、持続可能なシステムの再生と構築が切実に求められている。
  とりわけ人と人との関係においては、未来を託されているこどもたちと未来を約束すべき
 おとなたちにとって、互いに育ち合う環境がより豊かであるために、その人格と資質をはぐくむ
 ライフステージに対応した、既存関係の見直しと新たな関係の構築が、より重要な課題と
 なっている。
 
  このような状況下、「人権」「福祉」「自然」「対等」「平和」「デザイン」というキーワードと
 ともに、ライフスタイルやビジネススタイルの先端モデルが提示され、時代が必要とする
 独自な社会形成に向けた重要なヒントを世界に向けて発信しつづけている北欧地域では、
 これらの課題に対してさまざまな挑戦的な試みが行われている。
  そして、北欧の児童書には、これら数々のチャレンジの軌跡が、こどもからおとなまでの、
 あらゆる世代に真摯に伝わる形で、そのメッセージとして凝縮されている。
  わたしたちは、そうした書籍やものを媒介とし、しあわせへのチャレンジとして表現される
 北欧の先端的なメッセージを、重層的なネットワークの中で共有し、未来へ向かう確かな意志
 としてはぐくんでいきたいと願っている。
 
  わたしたちは、ささやかではあるが、我が国では有数な北欧関連書籍の集積する空間を、
 こどもたちとおとなたちが新たな関係の構築を模索しながら育ち合う<交流の場>として
 提供し、内外に開かれた未来志向の小さなコミュニティとして位置づける。
  そして、それに立脚した関係諸団体とのネットワークの確立、多彩な催事やフレキシブルな
 リファレンスを軸とした情報の提供や体験の共有化などを通して、敬愛すべき北欧文化の
 普及とそれを活用した社会形成の促進を図ると同時に、児童書を通じて日本の文化を広く
 北欧地域へ発信する双方向性を有した活動を行うため、
 北欧本画廊スカンジナビアブックギャラリーを設立しようとするものである。